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薩摩街道 ~久留米 その2  御菓子司 翠屋主水~

2013年05月11日

5月8日は久留米のキムラヤさんにお邪魔しました。その後、久留米の古いお菓子屋をたずねることに。
 先にUPしたのは
 薩摩街道~久留米 その1 吉金菓子舗~

 2軒目にお訪ねしたのは、【有馬藩御用 御菓子司 翠屋主水】
 有馬藩御用とあるように、江戸時代、久留米藩主の御用菓子を引き受けていたお店のようです。お店の方に確認し忘れたのですが、ネットで検索したら、創業400年と書いてあるブログやら、食べログやらでてきたので、そうなのでしょう。古い、古いお店です。どうも店主が高齢のようです。あまり表に出ないのはそのせいかもしれません。それで、久留米でたぶん一番古いお店だとおもうのですが、知る人ぞ知る・・といった感じ。
 

 

 






















お菓子は、お茶席のお菓子が中心のようで、干菓子が素晴らしかったです。

 
 
 











 それこそ、数日前に、博多 柳橋の蛸松月で、近頃は干菓子を作っている和菓子屋が少なくなっている・・と嘆いたばかり。ところが、この翠屋主水はとても充実してました。

 買ったのは上の3つ。紅葉と水の模様?は錦玉羹。 渦巻きは落雁です。他にも鶴亀やら、蝶やあやめなどいろいろとあり、見るのも楽しく、選ぶのに迷いました。

 他には「柳原八景」と言う竿菓子がありました。これは蒸し菓子だそうです。

 

 










 ここで、菓子見本(つくりもの)でしたが、蓬莱山を見ました。その昔、引き出物としてつかわれていたお饅頭です。今では注文する人はいないと、お店の方が寂しそうにおっしゃってました。
 時代の流れを感じますが、とても手の込んだ美しいお菓子です。実物を見てみたい、食べてみたい・・と思いました。




 

















 大切にしたい、お店です。
 (本当はブログに書かないほうがいいのかも・・とも思いました。)
 お菓子を食べながら、また伺いたいとおもいました。
 

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~長崎街道(シュガーロード)について~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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 このブログのサイドバーにあるテーマ 長崎街道(は宿場ごとになっています)・追加で、唐津街道薩摩街道で、今まで書いたことを見ることができます。

 長崎街道に当てはまらないお菓子などのことは、テーマ、お菓子ストーリーに書いています。

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Posted by はなはな at 11:37Comments(0)薩摩街道

薩摩街道 ~久留米その1 吉金本舗~

2013年05月10日

 昨日(5月8日)は、キムラヤにお邪魔した後、せっかく久留米まできたんだし、古い和菓子屋によってみよう・・と思い、ネットで調べて見つけたお店に行ってきました。

 さて、久留米は有馬氏の城下町です。城下町には、必ず銘菓あり。特に文化人の殿様がいらっしゃった町は、茶の湯が盛んだったりするので、それに伴い、お菓子も発達しています。江戸時代からずいぶんと時間が過ぎているのですが、町の成り立ちや食文化や住民の気風などに影響を与えていると言うのが凄いな~って思います。そのうち、【お菓子と殿様】みたいな話を書いてみようか・・という気持ちにもなります。

 久留米は江戸時代、薩摩街道・日田街道・柳川往還が通ってました。いつもの長崎街道ではありません。長崎街道=シュガーロードとすると、見事にはみ出している感じです。しかし、どんどんお菓子の事を調べていると、九州各地で、とても魅力的な古いお菓子が見つかります。砂糖の影響を受けているもの。砂糖が入ってくる以前からあるもの。いろいろですが、豊かなお菓子の文化をうかがい知ることができます。以前、村岡総本舗の社長が、「シュガーロードからシュガーアイランドへ」とおっしゃられてましたが、近頃はしみじみそうだな~と思います。シュガーアイランド=九州・・なのです。

 話を元にもどしまして・・・
 まず最初におうかがいしたのは、日吉町にある【吉金菓子舗】
 こちらのお店は創業明治8年。久留米でも古くからある和菓子屋です。
 
 



 















 実はこちらの商品で非常に楽しみにしていたものが。
 久留米名産 タイヤ最中
 昭和23年生まれのお菓子です。





 




















  さすが、ブリジストンのお膝元。久留米市のマークをタイヤの形にしている最中です。
 こんな最中、どこにもないですよ~・・・とお店の方が誇らしげにおっしゃる。さすがです。
 包み紙と最中のデザインが秀逸です。中は小豆あん。甘さもあるのですが、しつこくはありません。小学生の頃、社会の時間に、久留米はゴムの町・・って習ったことを思い出しました。
 ブリジストン・ムーンスター・アサヒコーポレーション。ちなみにブリジストンってアサヒのタイヤ部が独立してできた会社らしい。いわば源流ですな~。ムーンスターの靴は小さい時にお世話になりました。その頃は月星といってましてけどね。そんなことを思い出しながら、最中をいただきました。

 もう一つ、(実はこちらが大事)お菓子をご紹介
 久留米名産 いつもじ




 
















 久留米には水天宮があります。全国にある水天宮の総本宮。水難除けと安産の神様、子供を守る神様・・です。この水天宮の御守り札の5つの凡字をデザインしたお菓子がこの「いつもじ」なのです。 明治時代から有るお菓子です。



 


 















 本物の御守り札を見せていただきました(真ん中) 左がお菓子(いつもじ)
 右の瓢箪は、とても小さいものなのですが、ふたをちゃんと開けることができて、中に御守り札をちょっとちぎって入れることができるそうです。これを、小さい子の首にかける・・ということを、昔はよくしていたそうです。今では見かけなくなったけどね・・とお店の方のお話。幼いわが子をどうぞ御守り下さい・・という親御さんの気持ちが伝わってくるおまじない。いつの時代も変わらない愛情の形を見たような気がしました。

 この「いつもじ」はもち米を薄く焼いて(最中の皮を薄くしたような感じ)、柚子砂糖がはさんであります。食べてみたら、優しい甘い味です。外側のもち米部分は、そうね~(和風)ウェハースを薄くした感じ。厚みはほとんどありません。はさんで有る柚子砂糖、柚子の風味は微かな感じ。これは、茶席のお菓子だな~・・って思ったら、やはりそうだとのこと。裏千家の同人誌にも紹介されていました。

 このお菓子、熊本の「加勢以多」(かせいた)に似ているのでは・・と思い当たりました。まだ食べたことがありませんが、「加勢以多」(かせいた)も同じように最中の皮を薄くしたようなものの間に餡(固めのジャムのような)がはさんであります。ただ、厚みは1cmくらいあります。形は同じく短冊型。そして、このお菓子も茶席のお菓子であります。

 これは、熊本にも行かなくては・・・とますます思ったのでした。

 それにしても、「いつもじ」は上品なお菓子です。
 包み紙のうらに
 「召しませや こころも 身をも 清らかに 千歳の神の 守ります 菓子」とある
 このお菓子は、御守り菓子でもあるのだな・・としみじみとありがたく感じられるのでした。


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~長崎街道(シュガーロード)について~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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Posted by はなはな at 21:25Comments(0)薩摩街道