「風立ぬ」で復活 シベリアというお菓子

2014年07月03日

ある日のことでした。
 お菓子のことを検索していた時のこと。あるHPで、カステラとあんこの相性は思っているよりもよく、例えば、シベリアというお菓子が・・・・・云々。と書かれた文章を見つけました。

 シベリア????
 お菓子??
 聞いたことがないぞ?

 お菓子なら調べなくては・・

 というわけで、今回のテーマは【シベリア】です。
 写真は、横浜のコティーベーカリーから取り寄せたものです。

 「風立ぬ」で復活 シベリアというお菓子

  
 見ての通りの姿。
 カステラとカステラの間に羊羹状のあんこ。
 羊羹だからちゃんと固まっている。
 あんこをはさんでいるのではなくて、トレーにカステラを敷いてそのうえに羊羹を流し込んで作るらしい。側面に漏れているところがあって、その製法を伺わせます。手間がかかっているお菓子です。
 (お菓子・・といっていいかなあ。菓子パンの仲間になるのかも。明治から大正にかけて作っていたのはパン屋さんらしい。)

 

 調べていると、
 どうも明治時代の後半から大正時代にかけて生まれたお菓子で、ミルクホール(今でいう喫茶店のこと)での定番お菓子だったらしい。

 いつ、どこで、だれが作り始めたのかは不明。

 なぜこのお菓子の名前が【シベリア】なのか?
 羊羹の部分がをツンドラを走るシベリア鉄道にみたてた・・・とか、シベリアの凍土をあらわしたとか・・・いろいろな説があるようです。コティーベーカリーのHPにいろんな説が紹介されてますので興味のある方は読んでみてください。

 販売エリアは、首都圏を中心にした東日本と中部地方。近畿地方を中心とした西日本や九州ではなじみがないお菓子らしい。確かに、見たことはないが、Facebookでコメントをいただいた中に、九州で買ったというものがあって、全くないわけではないようです。

 首都圏・・というと、これは東京出身の友人に聞いてみるのが早い・・・で、聞いてみましたところ、羊羹カステラといっていたということ。牛乳と一緒に食べるとおいしかったとのこと。私より若い友人が知っているということは、ごく最近まであちこちで販売されていたということでしょう。

 味は、私が食べたコティーベーカリーのものは、カステラに水ようかんに似た味(薄味のような感じ)の羊羹がはさんであるものでした。冷やした方が美味しいかも。甘さは控えめでした。

 ネットでも食べたことがある人の感想がいろいろとあって、お店によってかなり味は違うようです。甘すぎる・・というものもあれば、すごく美味しいというものもあっていろいろ。味覚は人それぞれだからということもあるでしょうけど、店によってかなり違うことがうかがわれます。

 形も三角、四角・・といろいろあるようです。

 近年は、ほかにも美味しいお菓子がたくさんできて、作るのに手間のかかるシベリアは次第に姿を消していったようです。

 昨年、宮崎駿監督の映画「風立ぬ」で主人公の堀越二郎が「シベリア二つおくれ」といって買い求めるシーンがあったそうで、それで、あれは何?と注目されて復活しているようです。九州ではなじみのないお菓子だったので、見過ごされた方も多かったでしょう。私は映画を見ていないので、本屋で映画の本を探し、そのシーンを確認いたしました。なるほど、三角形のシベリアを買い求めています。友人から「変なものを食うな」みたいなことを言われているので、大人の男が食べるものではなかったのかな・・という印象。女・子供のおやつだったのかしらね。

 あんこ(羊羹)とカステラ・・・シベリアを眺めていて、思い出したお菓子があります。
 四国の松山の銘菓、タルトです。
 これもカステラとあんこの組み合わせ。
 ただ、ロールケーキ状。
 このお菓子のことは、また改めて書くことにいたしましょう。

 シベリア・・が気になった方は、首都圏にはまだ作っているパン屋さんがあるようですよ。
 検索してみてはいかがでしょう。
 それから、関西ではロシア・という名前であったらしい・・という情報もいただきました。
 これは未確認情報ですが、もし見かけたら教えてくださいね。


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~長崎街道(シュガーロード)について~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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