シュガーロード 武雄温泉 百合羊羹

2014年08月04日

久しぶりに長崎街道(シュガーロード)のお菓子に戻ってきました。
 近頃はこの長崎街道からはみだして、いろんなお菓子のことを書いてますが、お菓子のことを調べるきっかけになったのは、この長崎街道なのです。
 きっかけなどなど、調べ始めたころのことは、ブログのテーマで長崎街道(シュガーロード)のところを見てくださいね。

 さて、今日のお菓子は武雄温泉の百合羊羹です。
 武雄温泉は長崎街道でみると、塚崎宿のあたり。
 このあたりは今でも長崎街道の面影を残している宿場町が続きます。行ったことがないので詳しくは書けませんが、特徴的なお菓子が残る魅力的なエリアです。

 百合羊羹は、Kさんからのお土産。
 武雄温泉で、現地のガイドさんに古いお菓子屋をきいたら、この百合羊羹に行きついたらしい。
 武雄温泉に行って買ってこなくては・・と思っているお菓子でしたので、狂喜乱舞(私)感謝です。

 百合羊羹をつくっているのは、山里屋菓子老舗。
 創業は天保年間。160年ほどの歴史がある老舗です。

 百合羊羹はその名の通り、ユリ根と白あんを混ぜて作る羊羹。
 ユリ根は、そういえば以前佐賀に行ったときに買ったお菓子にも使われていました。
 そのことは、こちらに書いてますので、興味のある方はご覧くださいね→☆☆☆


 漢方にも使われるユリ根。この薬効がお菓子に生かせないか・・と思ったのが、お店の4代目だった山口佐平さん。(現在の代表は7代目にあたるそうです)それから90年ほど作り続けられているお菓子のようです。

シュガーロード 武雄温泉 百合羊羹




シュガーロード 武雄温泉 百合羊羹



 これが百合羊羹。
 白あんの羊羹です。上品な色合いがとても魅力的。

 羊羹を撮影するときにいつも思うのですが、本当に和菓子の中でもフォトジェニック。
 薄く光に透ける色合いといい、光の加減で変わる表情といい、かの夏目漱石が絶賛しただけのお菓子だけあります。夏目漱石の草枕の中の羊羹の描写は、お菓子を調べている人にはおなじみですが、溺愛かげんが計り知れる・・のです。ちなみに、夏目漱石の描写した羊羹は、東京の藤村の羊羹だそうですが、このお店も近年廃業されました。とても残念です。

 さて、話を百合羊羹に戻しますが、白あんにユリ根を裏ごししたものを混ぜているとのこと。食べてみましたら、ユリ根の味というより、白あんのマメに風味がとても豊かで、とても味に表情があるのです。白あんの羊羹というのは、きっとユリ根の風味がアズキだと消えてしまうからかも。子の羊羹の味は、私個人としては好きなタイプの羊羹で、直方の白ダイヤ(羊羹の名前ですよ)と同じくらい好きだわ・・と思いました。

 今度は、現地に行ってお話を聞かなくては…と思っています。武雄には他にもお菓子があるので楽しみです。

 Kさんがこの百合羊羹を買うときにお店の方に「友達がお菓子を調べてるので・・」といったら、この間、あるテレビの番組でやはりシュガーロードのことを調べていてロケがあったとのこと。番組の放映はもうあったのかしら?と気になるところです。

*****************************
~長崎街道(シュガーロード)について~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
******************************

このブログのサイドバーにあるテーマ 長崎街道(シュガーロード)で今まで書いたことを見ることができます.

当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます


Posted by はなはな at 10:58│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。