シュガーロード~千鳥饅頭と八幡饅頭~

2013年03月06日

シュガーロードのお菓子を調べ始めた頃、検索した資料を読んでいた時に気がついたこと。

 飯塚の千鳥屋は、寛永7年に佐賀で創業。
 八幡の鶴屋は、寛永7年に佐賀で創業。

 あれ?? どちらも寛永7年。で、佐賀なのね~~。。不思議、不思議・・・・と思ってた。
 寛永7年の佐賀で何があった??って思ってた。

 ところが、その後、いろんな本を読んだり、調べたら・・あっけなく答えが見つかりました。

 千鳥屋を創業した、原田政雄は、佐賀県久保田村(現久保田町)の菓子屋【松月堂】の長男。昭和2年に飯塚に「千鳥屋」を開業。飯塚は当時、炭鉱でにぎわっていたので、それを当て込んでの創業であります。

 鶴屋は、この千鳥屋の創業者の弟、原田三郎が作ったお店で、最初は千鳥屋で働いていたのですが、昭和5年、八幡で鶴屋を創業。こちらは八幡製鐵所の賑わいに目をつけての創業です。

 というわけで、この2軒は兄弟でありました。
 元はといえば、佐賀の【松月堂】。このお店の創業が寛永7年です。なので、一緒というわけであります。

 それぞれ、近代産業の発展に伴っての創業。目の付け所が凄いのであります。情報通だったということです。そして、それ以上に、佐賀の【松月堂】のお菓子の実力が伺えるのです。実力があるお店だから、それぞれの地で大きくなれた・・という気がします。ちなみに、この佐賀の【松月堂】は昭和14年に閉店しています。

 さて、お店の関係がわかったところで、それぞれが作っているお饅頭の話を・・。

 千鳥屋の饅頭が【千鳥饅頭】 鶴屋の饅頭が【八幡饅頭】といいます。
 どちらも、カステラ饅頭。カステラ饅頭というのは小麦粉を原料とする固いカステラ生地の皮にインゲン豆などの餡からなる焼き饅頭です。砂糖と卵を使っている点が、従来の蒸し饅頭とは違うジャンルの饅頭。南蛮菓子の流れを汲んでいる饅頭です。

 シュガーロード~千鳥饅頭と八幡饅頭~

 シュガーロード~千鳥饅頭と八幡饅頭~

 

 
 












 












       千鳥饅頭                      八幡饅頭

  どちらも大きさは直径5.5cm 高さ3cm 
  大きさも一緒。

 シュガーロード~千鳥饅頭と八幡饅頭~
 
















 中は同じく、白餡です。パンパンにはいってます。
 
 この二つを食べ比べてみました。
 
 皮の感じが八幡饅頭のほうがヒビが入りやすい・・とは気いてましたが見た目ではわかりません。味もかわらないかなあ・・・。目だって違う・・って感じはしないような気がします。焼印がなかったら、どっちがどっち・・・って感じもします。焼きたてだったら、それぞれの特徴がもっと出るのかもしれませんが、今回買った饅頭では、それはわかりませんでした。
 北部九州には、この二つの饅頭に似たものがとても多い気がします。田川饅頭も同じ感じですし、私の地元の天拝饅頭も同じカステラ饅頭です。で、共通点はみんな白餡なのです。なんで、白餡?・・・この答えは佐賀平野にあるような気がしています。シュガーロードのお菓子の母なる大地・・佐賀平野を調べなくては・・・とまたまた迷宮にはまってます。お菓子の調査は奥が深い・・・・


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さて、ここでおさらいコーナー
 ~長崎街道(シュガーロード)について~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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Posted by はなはな at 00:52│Comments(0)番外編
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