博多 百年饅頭店を訪ねて

2014年01月12日

 NHKの大河ドラマ「軍師 官兵衛」の宣伝の影響?なのか、近頃、博多のことがちょいと気になっております。博多に残っている古いお菓子をちゃんと調べようかな・・ってね。一見、何にも残っていないような感じの福岡・博多。シュガーロード(長崎街道)沿いの町、長崎や佐賀のような華やかさはないわね。福岡・博多土産のような顔をしている、ひよ子や千鳥饅頭は筑豊のお菓子だしね。そう思うと、一体何があるのだろう・・・と思ったわけ。

 郷土菓子的に考えると、博多は酒饅頭の発祥の地。
 
 1241年、円爾弁円(後の聖一国師)が帰国、博多で布教をしていた時に、荒戸で世話になった茶店の主人、栗波吉右衛門に酒饅頭の製法を伝えたというのです。

 聖一国師は、承天寺の開祖、博多祇園山笠にも関係有る人物。

 以前、承天寺界隈をぶらぶらした時のことをブログにもかいてますのでこちらをご覧くださいね →☆☆☆


 ちなみに、饅頭の伝来にはもう一つルートがあって、塩瀬饅頭の祖、林浄因による薬饅頭(ふくらし粉を使った饅頭)があります。どちらかといえば、こちらの方が有名かも。・・というのも、塩瀬饅頭は系譜として今でも残ってるから。

 さて、博多の酒饅頭はどうかといえば、製法を伝えられた栗波吉右衛門は製法と一緒に「虎屋」という屋号をもらい、看板も書いてもらったのだけれど、今ではその家は途絶えていて、看板は、東京の虎屋に伝わっているというのです。詳しいいきさつはここでは省きますが、ちょっと残念。

 それでも発祥の地だからか?福岡・博多の饅頭屋は酒饅頭を作っているところが多い気がします(気のせいかなあ・・・)小さい時から、何かお祝い事があると、紅白の饅頭をもらっていたような気もしますし。

 下呉服町に、古い饅頭屋がある・・としったので、ちょいと覗いてきました。
 こんな目的がないと、なかなか行かないエリア。竪町筋のあたりにある、「大浜饅頭」
博多 百年饅頭店を訪ねて

 
 
 早い時間にいかないと饅頭がない・・という噂をきいてましたが、ラッキーなことにありました。
 奥さんがでていらしたので、きいてみたら、100年の歴史があるらしい。(調べて見たら創業は1912年でした)元は今の場所よりちょっと海側だったらしい。今の場所でも半世紀たつかなあ・・・とのこと。今日は注文がはいったから、紅白そろっている・・とのこと。いつもは白い方だけらしい。

 というわけで、運よく紅白の酒饅頭をゲット♪
博多 百年饅頭店を訪ねて


博多 百年饅頭店を訪ねて





 食べてみたら、皮がほのかに甘い。懐かしい味です。
 あんこはこし餡でした。甘さ控えめ。コレならいくつでも食べれそうな感じ。

 他の饅頭より、酒饅頭は作るのに時間がかかるのだそうです。
 出来上がるのに4時間くらいかかるかな・・とおっしゃってました。聞いているとパンを作っている感じ。でもパンのイースト菌のように、バンバン発酵はしてくれない。酒だねはゆっくりと発酵していくようです。

 気になる方はお店を覗いてみてくださいね。但し、酒饅頭は早めに売り切れるようですよ。


 もう一軒。こちらは3日に覗いたお店。対馬小路の「承天庵」
 名前は承天寺を連想させますね。お店の中には、承天寺のお饅頭の碑の写真がありました。
 こちらの創業は1855年(安政2年)
 江戸時代末期ですね。ペリーが浦賀に来ていた時代。
 もともと、お豆を炊いていたのが最初らしい。今でも商品にお多福豆を炊いた物があります。

 さて、お目当ては・・承天まんじゅう

博多 百年饅頭店を訪ねて


 
 食べてみたら、じょうよ饅頭みたいな感じ。
 可愛らしい一口サイズ・・よりはちょっと大きめ。
 お饅頭だけど、上品な雰囲気です。

 古いお店には心惹かれます。
 古いお店が作るお饅頭にはもっと心惹かれます。
 福岡・博多の古い饅頭屋をもうちょっと歩いてさがしてみようと思います。
 自分の足元を見直す・・というのも、何か面白いことを見つけることに繋がるかもしれません。


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~長崎街道(シュガーロード)に魅せられて~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。

 近頃は、長崎街道からはみ出しております。あしからず・・・
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 街道に当てはまらないお菓子などのことは、テーマ、お菓子ストーリー・スイーツ女子の日々に書いています。





Posted by はなはな at 10:27│Comments(0)百年饅頭
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