シュガーロード~田代(佐賀県)その2~

2013年01月27日

 先日(12月11日)は今年最後のシュガーロード(長崎街道)のお菓子の調査に出かけました。
 今回は佐賀県です。

 筑豊をでて、内野、山家、原田、田代・・・と宿場町が続きます。

 今回は佐賀県の田代宿(たじろしゅく)にある古いお菓子屋さんが、この師走の時期にだけ、栗饅頭を販売する・・という情報をfbのお友達から教えていただいたので、調査もかねてお出かけしたわけ。田代→鳥栖→佐賀→小城・・・という強行軍。サクサクとまわりましたよ~~

 調査隊メンバーは、いつものHさんとTちゃんです。今回は時間がとっても限られているので、前もって下見をしておいて良かった・・って感じです。

■田代宿  佐藤製菓本舗  栗饅頭
シュガーロード~田代(佐賀県)その2~
 



















 さて、田代宿にある古いお菓子屋さんは【佐藤製菓本舗】です。
 前回の下見はこちらのブログ(シュガーロード ~田代(佐賀~)をご覧くださいね。

 前回のブログにも書きましたが、佐藤製菓本舗の前はシュガーロード(長崎街道)。道を渡ったら、八坂神社です。どこへいっても、その町の鎮守となる神社がありますね。田舎に行けばなおさら神社とお菓子屋というのはセットになっているような気がします。

 私たちがお店に着いたとき、栗饅頭を買い求めるお客さんが数人並んでいました。私たちも並んで、栗饅頭が出来上がるのを興味津々でながめていました。

 栗饅頭は写真でみていたので、人形焼のようなカステラ饅頭なのかなあ・・って思っていましたが、どうも違うようです。でも人形焼のような型に生地をながして、あんこを入れて、また生地をかけて、炭火で焼く、ひっくり返してまた焼いて、出来上がり・・・のような感じでした。

 この焼き型と、生地を流す機械がとても良く出来ていて、焼き型6個分をいちどきに生地をながせるのをみたら、思わず私たちは歓声を上げてしまいました。本当にささっとできるんです。
あまりにも喜ぶ私たちをみて、お店のご主人と奥さん?が「どこから来たの?」というので、福岡から長崎街道沿いのお菓子を調べにきた・・・というと、いろいろとお話をしてくださいました。

 話を要約すると、
 お店は創業139年で、ご主人で5代目になること。
 栗饅頭は120年の歴史があること。
 でも栗饅頭より、おこしのほうが古いこと。おこしは142年の歴史だそうです。
 私たちが大喜びしてみている機械は100年ものであること。
 栗饅頭は師走のえびす市の縁起物で、1日1000個くらい焼くこと。
 栗饅頭はきび砂糖が使われていること。
 縁起物なので、栗饅頭を年末に食べると「まんぐりよく」(なにごともうまくいく)年が越せるといわれているということ・・・などなど。
 
 明治時代のお店の周りの写真なども見せていただいて、参考になるお話をたくさん伺うことが出来ました。ありがとうございました。

 焼き型はこれ。炭火で焼いてます。だから栗饅頭は外側がカリカリ、中はしっとりです。 
シュガーロード~田代(佐賀県)その2~

 生地を流す機械はこれ。6個分を一度に流せる優れもの

シュガーロード~田代(佐賀県)その2~



栗饅頭
シュガーロード~田代(佐賀県)その2~
 
さて、栗饅頭の味・・ですが、これがまた美味しいのです。
大きさは一口サイズ。
出来立ては、外側がかりっとしていて、中はもっちりの生地です。
生地は米粉を使っているのかな?もっちり感がとても良い感じ。
で、この生地はできたてと冷えてからとは、ちょっと変化します。
どちらも美味しいけれど、出来立てをすぐに食べるのが絶品。
アンコは黒餡(こしあん) きび砂糖のおかげで、ちょっと甘い後味が残ります。
甘党としてはこの甘い後味がうれしい。白砂糖にはない、後を引く甘さ。でもしつこくないんです。
たくさんかって冷凍してもよいそうなので、私は多めに買いました。
冷たくなったのを、トースターであたためると、また変わった生地の美味しさが楽しめるそうです(翌日、Tちゃんが試したらしいです)
 

シュガーロード~田代(佐賀県)その2~

 お値段は10個 500円 (安いですよ)
 今年は12月20日くらいまで販売しているらしいですよ。
 詳しくは、このブログの佐藤製菓本舗のリンクを見てくださいね。
 ご主人が言ってらっしゃいましたが、「毎年、終わったあとに尋ねてこられる方が多いのです。」 とても気の毒がってらっしゃいましたので、栗饅頭が欲しい方は必ず、確認してからお出かけくださいね。
 
 
 えびす市のえびす様は、田代小学校(代官所跡)の前にいらっしゃるそうなので、お参りして、次のお菓子屋さん 山ノ内製菓に向かう事にいたしました。 (つづく)

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さて、ここでおさらいコーナー
 ~長崎街道(シュガーロード)について~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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Posted by はなはな at 23:08│Comments(0)田代
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