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シュガーロード 番外編19 ~お葬式のお菓子の思い出~

2013年06月12日

 友人と話をしていた時に出た話。
 友人は、生まれも育ちも東京の人です。
 話の主役は、丸ぼうろです。九州(特に福岡や佐賀では)ではコンビニに当たり前に有る丸ぼうろ。東京ではみかけないそうです。

 友人「私、ずいぶん昔に丸ぼうろって食べたことが有るみたい。福岡で見たときに初めてって思わなかった・・・・」

 私 「東京では、コンビニとかで丸ぼうろは売ってないんだよね~」

 友達「売ってないよ。でも食べたことがある。・・・たぶん家族が、お葬式かお通夜で貰って帰ってきたような気がする。それで食べたことが有るんだ。白い紙袋に入っていたような気がする。」

 私「お通夜やお葬式に丸ぼうろね~。佐賀の人だったんじゃない。お葬式をだしたおうち。佐賀だったら丸ぼうろをお祝い事や弔事に使うって聞いたことが有る。それに、東京でも麹町に佐賀の大隈重信とかかわりのあったお店があって、そこは丸ぼうろを作ってた。ただし今年の3月に閉店したけれど。本郷にも長崎で修行した和菓子屋さんがあって、そこにも丸ぼうろが有るみたいだよ・・」
 
友達「なるほど。きっと佐賀の人だ。麹町・・・そうかも。」

私 「丸ぼうろは、一枚だけだったんでしょ。2枚くっついた形だったら、中津だよ。」

友達「1枚だけだよ。中津にも丸ぼうろあるのね。」

私「あるのよ。こちらは福沢諭吉の故郷ね。」

丸ぼうろの記憶はこんな推理をよび、面白がっていた私たち。
後日、はっきりした事がわかり、この話は30年前のことだそうで、お葬式を出した家はやはり佐賀のご出身の方だったそうでした。場所は麹町だそうで、もしかしたら、麹町にあった栄陽軒だったかもね・・という話になりました。栄陽軒の丸ぼうろを食べ損ねた(閉店したので)事をとっても悔やんでいた私。なので、こんな話がやってきたのかしら。


また別の日、お饅頭を検索していたら、いろんな饅頭の紹介をしているページをみつけてよんでいたら、葬式饅頭なる物を発見。

その葬式饅頭を見てびっくり。

私、これ食べたことがある。たぶん父方の祖父の葬式。40年位まえ。

葬式饅頭の本名は、春日饅頭といって、小判型で、上に焼き色がついていて、それに紅葉のような葉っぱの印がついているもの。

そういえば、葬式饅頭を見たのはその時だけ。今では全然見かけませんね~。

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~長崎街道(シュガーロード)に魅せられて~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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このブログのサイドバーにあるテーマ 長崎街道(シュガーロード)・唐津街道・薩摩街道で今まで書いたことを見ることができます。

 街道に当てはまらないお菓子などのことは、テーマ、お菓子ストーリーに書いています。
 当ブログ内の文章、写真、その他の無断転用、転載を固く禁じます


先週はお葬式がらみのお菓子の話が、なぜか続いたのでした。  


Posted by はなはな at 21:53Comments(0)番外編

唐津街道 福岡・博多その4 承天寺あたりをぶらぶら・・

2013年06月09日




 昨日(6月8日)は、ちょっと近くまでいったので、御供所町のあたりをうろうろしてきました。
 お菓子の調査には、一見関係なさそうにみえるでしょう・・・。 実は、関係、大ありなのです。

 御供所町のあたりは、お寺が多いエリアです。
 山笠の時によく紹介されるお寺も幾つかありますが、その中で、私のお菓子の調査に関係あるのが、承天寺です。

 承天寺は、饅頭の発祥の地の一つなのです。(日本における饅頭の起源は2つの系統が有るといわれています) 
 1241年に承天寺の聖一国師が、栗波吉右衛門に饅頭の作り方を伝えたのがはじまり。博多に伝わったのは酒饅頭だそうです。
 承天寺の境内の中には、写真のような、饅頭の碑があります。


 
















 


 伝わったのはお饅頭だけではありません。 饂飩も伝わりました。同じように、境内に碑があります。小麦粉の使い方が伝わったという事ですね。

 博多に伝来したものは、意外と多く、近くの聖福寺には、栄西がお茶を伝えています。
 栄西はあちらこちらでお茶を植えているようで、先日は平戸でお茶発祥の地を訪ねましたし、佐賀の背振に近いところにも、栄西ゆかりの茶畑があります。

 食べ物ではありませんが、承天寺は、博多織の発祥の地でもあります。
 
 せっかく、お饅頭発祥のお寺に行ったのだから・・・というわけではありませんが、近くの古いお饅頭屋さんにも寄って来ました。

 佐座まんじゅう店です。
















創業が大正5年だそうです。(今年で97年も営業しているということですね~)


















町のお饅頭屋さんです。




































お饅頭は上のピンクと右の白いものが、酒饅頭
その下と中央が破れ饅頭
黒いのがおはぎ 栗がのっているのが赤飯饅頭(餡の代わりに赤飯がはいってる) 

 食べてみたら、皮がちょっと固めでしっかりしてました。
 餡はほどよい良い甘さ。
 一番気に入ったのが、赤飯饅頭で、皮の引きの強さと中の赤飯がマッチしてました。他の店では見ないしね。(珍しい気がします。)

 地域に根ざした小さなお饅頭屋さんです。普通のものが普通に売られている。
 長く残っていってほしい風景です。



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~長崎街道(シュガーロード)に魅せられて~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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Posted by はなはな at 20:47Comments(0)唐津街道

シュガーロード 番外編18 平戸 平戸と根室のオランダ焼き

2013年06月07日

 5月24日に平戸へ行ってきました。
 先にUPした内容はこちらをご覧下さい。
 シュガーロードのお菓子たち 番外編13~平戸 まずは散策~  
 シュガーロードのお菓子たち 番外編15~平戸 復元菓子~  
 シュガーロードのお菓子たち 番外編16~平戸 花かすていら~   
 シュガーロードのお菓子たち 番外編17~平戸 カスドース~


 

 

















 さて、いつもお菓子の調査に出かけるときは、前もって下調べをしてからでかけます。
 今回も、いつもどおり、お菓子と作っているお店のことを検索しておりました。
 その検索していた時に気がついたことが、今回のテーマであります。

 平戸の観光協会から貰ったパンフレットに掲載されているお菓子を念のために検索していて、(有名なカスドースや牛蒡餅などを調べ終わって)、【おらんだ焼き】?も一応・・って言う感じで検索したら、検索結果に、オランダ煎餅は北海道根室市およびその周辺で販売されている小麦粉でできた煎餅である・・・とでてきました。

 は?? 平戸なんですけど~~。と思って内容を読んでみてびっくり。

 どうも、平戸から富山、函館、根室・・と同じ物が伝わっているようなのです。記録がはっきりしないのでいつ頃から根室で作られていたのかは不明。最盛期にたくさんあったお店も、どんどんなくなって、今では「端谷菓子店」のみとなっているらしい。函館では明治時代に作られていたとのこと。今は途絶えているらしい。伝わったのは、日本海北上ルートだから、北前船?の影響??まだ未確認なので今後、調査しなくては・・という感じです。

 というわけで、平戸と根室の「オランダ煎餅」を食べ比べてみることにしました。

 

 














こちらが根室の端谷菓子店の《オランダせんべい》 直径15cm 厚み1cm弱くらい

 

 

















 こちらが平戸の江代商店の《おらんだ焼き》(大きい方) 直径16cm 厚み1.5cmくらい
 菓子工房えしろの《オランダ煎餅》(小さい方)


包装をとってしまうと、これまたそっくり
このワッフルのような模様は、オランダ人の靴底を模したといわれてます。






















 左が平戸                     右が根室
 模様をよく見ると、平戸は3種類 根室は4種類別々になっています。

 大きさがほぼ同じですが、最大の違いは堅さ。
 平戸は固い、クッキーのような感じですが、根室のは、ソフトで濡れ煎のようです。

















 これは根室のもの。やわらかいです。


















 こちらは平戸のもの。固いので曲がりません。

 食べ比べてみたら(あくまでも私の主観です)
 平戸の物は卵の味がするクッキーみたいな感じ。
 大きいものより、小さい物の方が食べた感じが軽めに作ってある感じ。

 根室の物は、やわらかく、そしてひきが強い。

 どちらもメインの原料は小麦粉・砂糖・卵なので味は大差ない気がします。


 さて、このオランダ煎餅、いつごろからつくられていたのでしょう?
 根室・平戸・・それぞれのお店に聞いてみましたが、古くから有るお菓子です・・というだけではっきりしませんでした。平戸のパンフレットには16世紀~17世紀くらいには存在していた・・とありますが、平戸ではいつ頃から作られいたのかは不明です。

 それにしても、九州の西に位置する平戸と北海道の根室に同じ名前で見た目もそっくりなお菓子が伝わっているとはびっくりです。そして、ちょっとだけロマンも感じます。お菓子の調べ物はこんな事が有るから、面白くてやめられないのであります。

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~長崎街道(シュガーロード)に魅せられて~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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 街道に当てはまらないお菓子などのことは、テーマ、お菓子ストーリーに書いています。
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Posted by はなはな at 22:19Comments(0)番外編

シュガーロード 番外編17 平戸 カスドース

2013年06月03日

 5月24日に平戸へ行ってきました。
 先にUPした内容はこちらをご覧下さい。

 シュガーロードのお菓子たち 番外編13~平戸 まずは散策~ 
 シュガーロードのお菓子たち 番外編15~平戸 復元菓子~ 
 シュガーロードのお菓子たち 番外編16~平戸 花かすていら~  

 平戸といえば・・・・というくらい、皆さん、お菓子は「カスドース」とおっしゃる。
 そして、「あれは、甘すぎるからね~・・」とおっしゃる。
 はるか昔・・・食べたことがあるような、ないような・・・。
 だから、そうなんだ~、甘いのね~・・・と言うイメージを刷り込まれた私。
 デパートの物産展でもカステラのように積極的には買わないね~。

 しかし、シュガーロードのお菓子たちというブログを書き始めて、このカスドースがとても気になってきて、コレは一度きちんと食べなくては・・・と思ってました。本当に甘すぎるのか?(私はかなり甘党なのでこれは疑ってますが)ということも含め、カスドースはこのお菓子の調べ物の本丸の一つではないだろうか?・・とさえ思うようになっておりました。だから、今回は、カスドースと「ご対面」と言うような気分で望んだと言うわけです。(ちょっと大げさ?笑)

 さて、カスドース・・といってもお菓子に興味のない方にはわからないですよね~。
 カステラとは違うの?って思いますよね。
 
 現代のカスドースの作り方は、カステラを四角くカットして、それを卵黄にくぐらせ、熱した砂糖シロップの中で加熱して、グラニュー糖をまぶして作ります。
 カステラに卵黄をつける・・どおりで、深い黄色をしているはずだ・・と納得。シロップでにた上にグラニュー糖をまぶすとは。もともとカステラも甘いので、皆さんがおっしゃるように、「甘すぎる」と言う事になるのでしょう。
 
 カスドースのカスはカステラの先頭の2文字 ドースはポルトガル語で甘いと言う意味のdoceだそうです。

 松浦家の「百菓之図」にも記載されている菓子です。松浦家の茶道の菓子としてカステラを改良したもの・・といえるようです。そのようなことから、この菓子は明治時代になるまで、庶民の口に入ることはなかったそうです。殿様菓子ですね。とても大切なお菓子だったということです。

 さて、本日は平戸蔦屋のカスドースを食べてみました。
 平戸蔦屋は、創業1502年のお店です。松浦藩に伝わる「百菓之図」にも名前が出てくる老舗です。お店のことはまた改めて書くことにして、今日はカスドースのことだけを書きます。
  
 これが、カスドースです。綺麗な黄色です。黄身そのものの色って感じです。とけてしまっていますが、表面にはグラニュー糖がまぶしてあります。
 そのせいか、触るとちょっとベタベタしています。卵と砂糖でカステラをしっかりコーティングしてある感じです。(黄色の鎧を着たカステラって感じ)



 


















 食べた印象は(あくまでも私の主観です)
 有る程度、覚悟して食べたせいか、思ったより甘くない名というのが第一印象。甘いのだけど、甘すぎることはない。現代風に味をかえているのかもしれませんね。時代にあわせて、味をかえていくことはよくあることです。もしかしたら、一昔前のものより、あっさりしているのかもしれません。
 後味は卵の味が口にひろがるので、豊かな感じがします。
 砂糖のシャリシャリ感があり、噛むと、シロップがじわっとでます。
 外側はベタベタしていますが、中にはしみていないので、しつこくないのかも。
 
 カットして中をみると、外側のコーティングがはっきりわかります。


 













 
 平戸で、カスドースを作っている菓子店は、平戸蔦屋と湖月堂老舗の2軒です。
 名前は違いますが、同じようなお菓子「カスポール」を牛蒡餅本舗 熊屋がつくっています。

 湖月堂老舗には今回行く事ができませんでしたが、こちらのカスドースは博多阪急で販売されているので、食べる事はできます。比較はまた改めて書くことにいたします。

 カスドースの黄色は、はるかなる平戸の黄金の日々を思わせます。
 ちょっと苦めの濃いコーヒーと一緒に追憶の彼方を旅したくなります。


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~長崎街道(シュガーロード)に魅せられて~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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 街道に当てはまらないお菓子などのことは、テーマ、お菓子ストーリーに書いています。

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Posted by はなはな at 08:05Comments(0)番外編