シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子

2013年05月28日

 5月24日に平戸へ行ってきました。
 先にUPした内容はこちらをご覧下さい。
 シュガーロードのお菓子たち ~番外編13 平戸 まずは散策~ 

 今回、平戸へ行った最大の目的は、千光寺で行われる献茶式の会場で販売される、復刻菓子を購入し、眺め、食べること・・・であります。fbでたまたま見かけた平戸市役所の告知。以前、大茶会が開かれた時にお菓子が復刻された・・ということを知っていたので、即、お問い合わせをした次第。会場で聞いたところ、復刻菓子が販売されるのは、他には機会がないそうで、大茶会のようなイベントも今はしていないとのこと。やっぱり来てよかった・・と改めて思ったのでした。

 ちょっとお菓子のことを書く前に、お茶のことを・・・。


 千光寺は臨済宗のお寺です。
 ここは禅とお茶の伝来地といわれているのです。
 1191年、栄西は宋より、仏教の修行を終えて平戸に帰着した時に、冨春庵にて初めて禅規を行った。そしてその時にお茶の種を持ち帰っていて、それを蒔いたのが、冨春園だそうです。
 お茶に縁の有る土地だったのですね~。
シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子






























シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子
 
 

 

 












冨春園のお茶の木
シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子


















 この献茶式の会場で平戸菓子物産展が開催されていました。
 そこでお目当ての復刻菓子に出会いました。

 復刻菓子というのは、平戸藩松浦家に伝わる、【百菓之図】をもとに復元されたお菓子のこと。【百菓之図】は1845年成立のお菓子の図録で、百種類の菓子が極彩色で描かれ、菓銘と製法が記されているものです。その中には、現在、平戸銘菓でおなじみのカスドースや牛蒡餅も入っています。それ以外のお菓子が幾つか復刻されて、販売されるのは、今回のようなイベントの時だけなのです。1998年に行われた大茶会の時に、復刻菓子が供された・・という記事を雑誌の記事で見て、ずっとみて見たい(もちろん食べてみたい)・・と思っていたところでしたので、今回は思いがけず願いが叶ったと言うわけです。

 販売されていた復刻菓子です。
 上: カスドース(平戸蔦屋) 網笠(牛蒡餅本舗 熊屋)
 下: 種カ島(平戸蔦屋) 花かすていら(楠製菓) 若紫(菓子処津之上)
シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子

 



















烏羽玉(平戸蔦屋)と牛蒡餅(牛蒡餅本舗 熊屋)を加えて改めて写真をとりました。
7種類の復刻菓子です。
シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子




















 お菓子の名前の後のカッコにはいているのは、お菓子を作ったお店の名前ですが、花かすていら、カスドース、牛蒡餅は他にもいろんなお店が作って販売しています。

 さて、ながめて楽しんだ後は、食べるお楽しみ。食べた感想を。あくまで私の主観ですので、ご了承ください。
 花かすていらは今回3つのお店で購入しましたから、食べ比べを後ほど改めて書きます。

 ●烏羽玉  (写真の一番左 4個入っているもの)
 このお菓子は、みなさん、口をそろえて、「烏羽玉は高級なお菓子です」とおっしゃる。
 なるほど、一つだけ別格って感じの箱にはいってました。直径4cmほどのお菓子です。
 皮は求肥で黒胡麻の入ったの練り餡を包み、その上に和三盆がたっぷりまぶしてあります。材料がとても良い高級菓子といった感じ。食べてみたら、求肥がやわらかく、餡は胡麻の味が引き立っていて、周りの和三盆が甘いのだけど、それがとても上品な味わい。甘さを感じるけれど、全然しつこくなく、でも食べ終わった後に満足感があります。なるほど、平戸のお菓子の頂点に君臨している・・という感じ。王(殿様)の風格があるのです。賞味期限は数日ありますが、コレは買ってすぐに食べたい。1日たつと求肥がやや固くなって、口に入ったときに感じるデリケートさが感じられなくなります。

 ●種カ島  名前から察するに、材料はさつまいも?きんとんのお菓子です。
シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子
 















 
 
 実は今回持って帰るのに一番気を使いました。
 生菓子ですから、潰れてはいけない・・。この写真は買った直後にとってますからまだ形が綺麗です。なんど、途中で食べようか・・と思ったことか。それでもガマンしたのは、中に仕掛けが有るような気がしてならなかったからです。
 持ち帰って、カットしてみたら、アンコが2色になっていました。あまりの可愛らしさに、ニコニコしてしまった位、嬉しかったですね~。途中で一口で食べていたら、お目にかかれなかったものです。口に入れると、儚げな口どけの軽いきんとんでした。
 シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子
 


















 
 ●網笠
 どら焼きみたいな生地で、こし餡を二つ折りではさんであり三日月っぽく成型してあるもの。 
 生地をうらがえしてみたら、倉敷の銘菓「むらすずめ」を思い出しました。
 シュガーロード 番外編15 平戸 復元菓子
 




















 


 皮は少し洋風な感じの味わい。餡はあっさりした甘さ。こうしてみると餡の色も薄めです。

 残りのお菓子はまだ食べていないので、食べたらまた感想を追加しますね。

 それにしても、この復刻菓子はすばらしい。平戸の宝・・といってもいいですね。
 他に類を見ないお菓子の充実ぶりには驚かされます。さすが、平戸藩主が時間をかけて、お菓子の中から選びに選んで作った【百菓之図】であります。

 機会があれば、【百菓之図】そのものをみて見たいものです。松浦資料博物館に展示されることがあればよいのですが難しいようです。(今年は展示はありません)大学の先生とかだったら、研究の為に見れるのでしょうけれど、独自に調べ物をしている身ではね~。でもあきらめませんよ~。

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~長崎街道(シュガーロード)に魅せられて~
 長崎街道(シュガーロード)は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
 私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉~長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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Posted by はなはな at 19:43│Comments(0)番外編
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