シュガーロード　（長崎街道）のお菓子たち

　先月、Ｋさんから「鶏卵素麺の松屋が復活していたよ」・・・との情報が。
　なんでも、お月見団子を買いにお出かけしたときに見つけたらしい。

　鶏卵素麺の松屋菓子舗は昨年の秋に自己破産。
　福・博で一番古い･･といわれていた菓子舗の自己破産は、郷土菓子の調査をはじめたばかりの私にとって衝撃でした。というのも、鶏卵素麺は大昔・・・子どもの頃に食べたきりで味など忘れていたからです。老舗のお菓子を、もう食べれないんだ・・・とがっかりしていたところでした。

　さて復活・・・？？本当に？・・
　なので調べてみましたよ。

　関連記事はすぐに見つかりました。
　鹿児島の薩摩蒸気屋が、松屋菓子舗の橋本工場を買収。製造に関わっていた社員を再雇用して5月から鶏卵素麺の製造を開始したらしいのです。どうりで、近頃デパートの限定販売で見かけるな･･と不思議に思ってました。橋本工場のところに本店を構えているそうで、Ｋさんがお団子を買ったのはそのお店だったようです。
　補足ですが、薩摩蒸気屋は、「かすたどん」や「かるかん饅頭」で有名な会社です。

　

　
　


























　久しぶりに買った鶏卵素麺。「たばね」は美しいお菓子です。
　食べてみたら、じゅわ～って甘い。思ったよりしっとりしています。そして卵の香と味が口にひろがります。平戸のカスドースも甘い･･と思いますが、それとは違った感じ。ダイレクトに卵って感じがします。　たばねているのは昆布です。大昔に食べたのは記憶にありませんから、とても新鮮な味わいでした。大人のお菓子の印象です。抹茶もよいですが、苦いコーヒーなんかもあいそうなところが、南蛮菓子由来･･･って感じもします。
　
　さて、松屋菓子舗の鶏卵素麺が復活したら、実は、創業家の方も復活の記事を発見。
　そして、鶏卵素麺の生産を開始したようなのです。
　こちらは、創業者以来、代々世襲されてきた当主「松屋利右衛門」の名で新たに工房を設立したらしい。松屋菓子舗の名前はもう使えないですからね～。

　

　
　

















　こちらが、創業家が作っている鶏卵素麺。写真は、お徳パックみたいな感じのものだけど、たばねもありましたよ。（お値段が高いので安い方を買いました）
　味は、松屋菓子舗のと大して変わりなく、じゅわ～な甘さと卵の味。しいていえば、こちらの方が素朴に卵の味かなあ。

　・・というわけで、博多の鶏卵素麺は、松屋菓子舗と松屋利右衛門、そして、石村萬成堂で作られています。気になる方はお試しあれ・・・。

　　鶏卵素麺については、また改めて書きますね。

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～長崎街道（シュガーロード）について～
　長崎街道（シュガーロード）は江戸時代に整備された脇街道の一つで、小倉の常盤橋を起点として長崎にいたるまでの路線です。長崎の出島に入った砂糖はこのルートを通って大阪や江戸に運ばれました。この砂糖が通った道沿いには、さまざまなお菓子が生まれることとなります。そして、時代が下って、炭鉱が華々しい頃にそのお菓子たちは筑豊で大きく花開く事になります。今では全国的に有名になっている【ひよこ】や【チロルチョコ】などは筑豊生まれのお菓子です。
　私はこのシュガーロードを歩いて、お菓子が生まれた土壌、文化などを調べたいと常々思っていた・・というわけです。小倉～長崎までの宿場町に繁栄したお菓子、今でも残っている古いお菓子、新しい時代のお菓子、絶滅しかかっているお菓子など調べますよ。そして長崎まで調べたら、南蛮菓子の故郷、ポルトガルへ・・・と野望をいだいております。
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